水素吸入はがんの再発予防の人には一番いい

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ヘリックス通信

2023.06.22

インタビュー

テーマ:

【Vol.6】水素吸入はがんの再発予防の人には一番いい

がんの言い分を聴き、今の生き方を転換する

水素ガス吸入機を活用する医師や研究者にお話しをお伺いする「ドクターズインタビュー」。
第6回は、船戸クリニックの船戸崇史院長にインタビューをしました。

ドクタープロフィール

船戸クリニック
リボーン洞戸
船戸崇史 院長

今回は生まれ故郷である岐阜県にクリニックとリトリート施設を開業されている船戸崇史先生です。先生の専門は消化器腫瘍外科ですが、「がんには自身のメスでは勝てない」と悟りメスを置き、西洋医学、東洋医学の枠にとらわれず、効果的な治療法を総動員してがんを克服するという統合医療の考えをベースに外来診療を行っています。
また、がん患者の「最期は家で死にたい」という願いを叶え、自宅看取りを行えるよう、在宅医療にも情熱を注がれています。船戸先生は長年のがん患者さんとの触れ合いや、2008年の自身のがん体験から、がんには言い分がある事に気付いたと言われています。がんの言い分は「生き方を変えなさい」だけでした。
しかし日本中見回してもそのような気づきを主軸にした施設はないため、がんを通して「生き方の転換を図る」施設が必要だと感じ、2018年1月岐阜県関市にがん予防滞在型リトリート「リボーン洞戸」をオープンされました。

ドクターズインタビュー

そもそもリボーン洞戸のリボーン(reborn)とはどういう意味ですか?

九州大学の池見酉次郎先生が「がんが自然退縮して消える時がある」と言っています。その要件に、「全人的変容」という言葉を使っています。全人的変容というのは、その人をしてその人でない、つまりその人がまるごと変わってしまうということですね。私は生まれ変わるという意味のリボーン(reborn)という言葉を使っていますが、「全人的にその人が変われば、がんは消えるしかない」と仰っています。
初めは意味がわかりませんでしたが、がんになった患者さんに「自分のがんの言い分はなんですか」というアンケートを取ってみました。すると、その中に「抗がん剤を使え」とか「治してみろ」とか、治療に関することはなにも書いていないんです。がんが言っているのは「食事を変えろ」「人間関係を見直せ」「がんばりすぎるな」「もっと楽天的になれ」「希望を持て」「自分らしく生きろ」と。一言でいうと「変わりなさい」それだけです。例えば糖尿病になったら食事は見直すかもしれませんが、その他は気にしません。外傷にいたっては運、不運で考えます。がんだけですよ、生き方を丸ごと見直そうとするのは。
私は以前から、主にがんの終末期医療を実践してきた集大成として、ホスピスを作ろうかと考えていました。しかし自らのがん体験を契機に「がんの言い分を聴き、今の生き方を転換することで、本来の自分に甦る施設」を作りたいと、最終的にはホスピス計画を全面的に変更しました。そして2018年1月に、私の生まれ故郷であり、かつて療養生活を送った岐阜県の洞戸に、「リボーン洞戸」という滞在型のリトリート施設を開設しました。

大自然の中に佇むリボーン洞戸。リボーン洞戸からの景色

がんの言い分を聴いたら、どうリボーンするかが大切

医学教育も保険会社も、「死因の一位はがんだからがんは怖い敵である」というようなことを言っている中で、がんになったらがんを治すことに集中して躍起になるのは当たり前だと思います。でもね、注意しなくちゃいけないのは、がんを治すことは中間の目標であって生きる目的ではないのです。だってがんを治すことが目的の人生だなんて辛すぎますよね。だから、がん治療の目的は「治ってから何がしたいか?」最終的には「幸せ」だと思っています。
私自身もがんにならなければ、リボーン洞戸を開設したことも、本を書いたこともどちらもありえませんでした。なので、クリニックに来られた患者さんもがんの言い分をしっかり聴いて、これまでのがんになってしまう生き方を見直したら、やっぱりその先が大切です。がん体験を通して、その人がどうリボーンされるかが重要だと思っています。それががんからの大切なメッセージなのですから。

水素吸入を導入されたきっかけをお聞かせください

10年ほど前から水素水を導入していました。クリニックの待合室では患者さんが水素水を飲めるようにし、自宅でも水素水を飲んでいましたが、ピンときてはいませんでした。そんな時に神戸で行われた学会赤木純児先生による水素吸入を取り入れたがん治療の発表を聞きました。すぐに赤木先生の著書「水素ガスでガンは消える!!!」を読み、ET100を最低3時間吸入して著書の巻頭にあるような変化が出てくるということ、しかもすい臓がんや大腸がんで転移があった場合にも、こんな風に効いてくるということに本当にびっくりしました。
私は開業医として、自らエビデンスを蓄積していくことよりも、既にエビデンスが揃っている治療法を実践することを優先しています。あれだけエビデンスレベルを上げたデータが出ているものがあれば、実践する価値があるなと思いました。

赤木先生のコンビネーション

赤木先生は水素吸入・低用量抗がん剤・オプジーボ・温熱療法といったコンビネーションで水素ガス免疫治療を行っています。もともとうちのようなクリニックに来る患者さんは、低用量だとしても抗がん剤が嫌で来る方が多いので、既に提供している高濃度ビタミンC点滴(副作用のない抗がん剤と言われている)を、赤木先生のコンビネーションの低用量の抗がん剤に置き換えてみようと思いました。そして赤木先生のハイパーサーミアと同じく温熱治療を行うことのできるオンコサーミアという機器と、伊藤要子先生によるマイルド加温療法を行っているので、その2本立てを温熱療法とみなすと、既に低用量オプジーボは提供しているので、水素吸入を加えれば、「うちでも赤木先生のコンビネーションが出来るな」と思ったことも導入のきっかけでした。

水素吸入はどのように治療に活用されていますか?

船戸クリニックに3台、リボーン洞戸には2台水素吸入機があります。水素吸入は毎日行うのがいいといっても、外来では現実的に難しいところがあるので、週に2回、人によっては週に1回、ビタミン点滴をやりながら水素を吸ってもらうというやり方を行っています。クリニックに来られた患者さんには、「まあまず吸って体験してごらん」と。「水素吸入は極力続けたほうがいいよ」と話しています。
宿泊者がメインとなるリボーン洞戸では、滞在されている患者さんが自分で予約を入れて、水素吸入をするというスタイルになっています。みんなどんどん予約を入れています(笑)。瞑想や呼吸法をしながら水素を吸うと気持ちが良いという方もいますが、その声も支持しています。みなさん結構好き嫌いがある中で、漏れなくだれでも同じように感じてもらえるものって、実はそう多くはないんですよね。
たとえがんが進行した状態にあって、病院でもうやることがないと言われてしまった方でも、結果的に治るか治らないかはわからないけれど、「身体の免疫力を活性化できる水素吸入という方法でまだ諦めることはないんだよ」という前向きな方法としておすすめしています。点滴や注射と言われると「ちょっと痛い」となってしまうので、水素を吸うだけでというのはとてもいいです。

感性派・理論派のすすめ

そもそも私は治療が効く・効かないというのも、患者さんの生き方に転換が起こらない限り、完全に治ることは難しいだろうなと感じています。池見先生の全人的変容ですね。ですがやっぱり何十年もやってきた生き方や考え方はそう簡単に変わりません。そんな中で、例えば水素吸入をした際、その薬理効果に加えて「身体が気持ちのいい状態を知る・体験する」ということが、考え方が変わる一助になればと思っています。全員が全員そうかというと、特に女性陣に多いですが、やっぱり感性を大切に生きてきている人は、身体の感覚から直観的に考え方が変わりやすいです。
そうした感性派に対して、特に男性陣に多いのが非常に現実的な理論派です。「なにか自分の良からぬものを除くためには、痛い目をみるのが当たりまえ」と思っている人が多い印象です。そういう方は「痛みを我慢した分、がんが小さくなる」と思っているようで、病気を治していくのに、癒しやヒーリングなどで楽に楽しく消えるというのはないだろうと思い込んでいる節があります。治療の効果は信じる度合いに比例します。なので、特に理論派の方へは文章でしっかりと効果が書いてあるものを見てもらい、単独で水素吸入をしてもらうというよりも、治療のコンビネーションの一環として、一つ一つの治療の目的を説明した上で、これらを同時にやります、とお話することが多いです。

ご自身ががん治療をしていた当時、もし水素吸入療法があれば、治療に取り入れていますか?

あればやっていますよ。今の知識があれば、やっぱり毎日吸うでしょうね。水素吸入に限らずなんでもそうですが、私は患者さんにすすめる前に、全部自分で最低でも1ヵ月は続けてみた上で、「自分はどう感じるか」という基準でそのものを導入するか決めます。水素吸入はPF72をレンタルして、毎日1時間×3ヶ月続けていました。まず感じたこととしては、身体が辛くなるというような悪い事象は起こらないということです。これはとても大切なことです。
頭がすっきりする、身体が温まってぽっぽするというのも確かにありましたし、疲労回復というのが筋肉レベルじゃないところで起こっているなあというのは感じていました。やっぱり水素は一番小さい分子というところで、身体に影響を与えてくれているんだと思います。複雑な分子の構造をしていない、もっとも根源的なものとして、「これはいいんじゃないかな」と思っていました。また、高濃度ビタミンC点滴と水素吸入は活性酸素を消去するという点で、良く似たような効果がありますが、高濃度ビタミンC点滴は活性酸素を軒並み全部取ってしまうとも言われているので、そういった意味では善玉の活性酸素を残すと言われている水素吸入は魅力的だなあと思っています。

水素吸入の本来の使い方は予防

私が今対象としている患者さんは既に症状が重い方が多いですが、本来の水素の使い方は、やっぱり予防だと思います。でも真剣に予防をするためには、いっぺん痛い目に合わなければいけないことが多いですよ。「自分の親が、兄弟が、伴侶ががんになったから、私もがんになりたくないです」とか、「そういう人たちのためにがんの勉強をしたいです」というのは、所詮、二人称です。一人称になるとみなさん目の色が変わります。1回軽い段階でそういう経験をしていると本当の予防になります。
そういう意味ではやはり、水素吸入はがんの再発予防の人には一番いいですね。再発予防の人は手術後、病院側から抗がん剤や検査でこうしろ、ああしろと言われ、病院にくぎ付けにされてしまうことがあります。そこで「水素吸入は西洋医学の副作用の予防にいいんだよ」という話をします。「抗がん剤のダメージを少しでも減らすという点でも、吸った方がいいんだよ」と。
もちろん、水素吸入で副交感神経が優位になることで、リンパ球が賦活化し、免疫力アップにつながるという点からも支持しています。水素吸入はヘリックスジャパンの機器ではレンタル制度などもあり、自分の家で継続しやすかったり、本人以外のご家族も認知症予防などいろいろと多目的に使えたりするので、これはストレスフルな社会において一家に一台あるととてもいいものじゃないかと思っています。極力たくさんの人に吸ってほしいです。

※船戸先生が支持する水素吸入の対象疾患/がん、パーキンソン病、アルツハイマー認知症、脳卒中、心筋梗塞、筋肉痛、関節痛、アンチエイジング(サーチュイン遺伝子活性化)、もろもろストレス解消など

COVID-19についての考えをお聞かせください

1980年代に日本人の死因のトップががんになりました。そこから約40年たった2019年になってCOVID-19が出てきました。少し怪しい話になりますが(笑)次元が変わってきていると思います。患者さんがどれだけ「私のがんの原因は旦那だ」と言っても、旦那さんはがんになっていないのであれば、やはりがんからの呼びかけはご主人ではなくあなた自身に来ています。「がんの言い分を聴いて、これまでの自分の生き方を見直しなさい」と。つまりがんの言い分はその人自身に向いているんです。
ところがそれから40年たって、COVID-19が出てきました。この呼びかけはがんの呼びかけとは違うと思うんですね。COVID-19は若者は感染しても死亡率が低いですね。でも特に30歳を超えている高齢者が感染すると死亡率がぐんと上がる。だから、若者は自分のためではなく見知らぬ高齢者のためにワクチンを打ったり、行動制限をしなくてはいけません。ということは、まず「がん」からの「あなたの生き方はそれでいいの?」という自分自身に向いていたメッセージから次のステップ、「自分の健康は自分のためだけじゃないよね?」ということを知らしめる次元に入ったのではないかと思っています。

今後の抱負や展開についてお聞かせください

今やっていることの延長線上だろうなと思います。リボーン洞戸はやっぱり医師として外科医としてがんと携わってきた自分の集大成だと思っているんですよ。 でも自分たちは常に変化しているのでリボーン洞戸にゴールはないんです。どこまでもどこまでもリボーニング(reborning)だと思っています。だから、あそこでの挨拶を「グッドリボーニング」にしようかと思ったんだけど、言いにくいから誰も言ってくれなくて(笑)
。もしもゴールがあるとすれば、それは我々人類ががんで亡くなる必要がなくなった時でしょう。私もまだ分かりませんが、がんの言い分が「愛の体現」だとしたら、その愛の本当の意味がわかった時に、きっとがんは過去の遺産のように「昔こういう病気もあったんだって」となるのだろうなと。その過渡期のような一時期を生かされているのだと考えると、とてもエキサイティングじゃないですか。

やりたいことは「がんの復権」

こんな偉そうなこと言っていいのかなとは思いますが、自分がやりたいことは「がんの復権」です。がんは悪や敵ではありません。がんはあなたを殺そうと思って登場はしていません。ただ「あなたの生き方を転換しなさいね」と言いに来てくれた家族のような、身内のような存在です。がんは消すものではなく、生き方を転換したときに自然に消えるものだと考えています。言い分を聴いてもらえたがんは、役割を終えて自ら消えていくしかないのではないでしょうか。ですから、自分の身体の中にあるがんを、そのメッセージも聴かずに消そうとしてやっつけるということは、他ならない自分をやっつけるということだと思っています。その延長線上には治癒もなければ、希望もありません。
結果論的に日本ではがんがどんどん増えているということは、今のやり方は間違いだとは言わないけれど、不十分なんです。やっぱりがんをやっつけようという目標自体が違うと思っているので、まずはがんを敵とみなさないことからはじめて、少しでも本来の方向になればと思っています。だから、やりたいことは「がんの復権」です。

船戸院長、ありがとうございました!

クリニックデータ


船戸クリニック
住所:岐阜県養老郡養老町船附1344 GoogleMap
TEL:0584-35-3335

 


リボーン洞戸
住所:岐阜県関市洞戸大野939 GoogleMap
TEL:0581-58-2311

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