Dr.Shiggekkyの水素問答 <その4>糖尿病にどう作用するの?
2025-12-16

~Preface~
水素の疑問質問に回答くださいますのは、
ある時はミトコンドリアマン®、
自称・異端の医療研究者 Dr.Shiggekky※です。
(※一般的称号:聚楽内科クリニック院長・医学博士 武本重毅先生)
<その4>
「20年間、食事療法や努力しても下がらなかった数値が、
たった2か月の水素で!」との話を耳にしました。
水素吸入は、糖尿病にどのように作用するのでしょうか?
Dr.Shiggekkyの回答
水素と糖尿病の関係
―――「酸化ストレス」と「ミトコンドリア」に着目して―――
「食事や運動を頑張っているのに、なかなか血糖値が下がらない」
そんなお悩みを持つ方は少なくありません。
糖尿病は、血糖のコントロールがうまくいかなくなる慢性的な代謝の乱れですが、
その背景には「酸化ストレス」と「炎症」、そして「ミトコンドリアの疲れ」が
深く関係していることがわかってきました。
最近では、この酸化ストレスをやわらげ、細胞のエネルギーを整える手段のひとつと
して「水素吸入」や「水素水」などが注目されています。
ここでは、水素がどのようにからだに働くのか、そして糖尿病とどんな関係があるのかを、
やさしく解説します。
水素と糖尿病の関係 ―「酸化ストレス」と「ミトコンドリア」に着目して―
Dr. Shiggekky(聚楽内科クリニック院長・医学博士 武本重毅)
1.糖尿病と「酸化ストレス」の関係
糖尿病では、血糖が高い状態が続くことで、体内で「活性酸素(かっせいさんそ)」と
呼ばれる物質が多くつくられます。
活性酸素はもともと、体を守る免疫反応などに必要なものですが、増えすぎると細胞
のたんぱく質や脂質、DNA などを傷つけてしまいます。これが「酸化ストレス」です。
酸化ストレスが長く続くと、インスリン(血糖を下げるホルモン)の効きが悪くなったり、
血管の壁が傷んだりして、糖尿病の進行や合併症のリスクが高まると考えられています。
2.ミトコンドリアとは?
――「からだの発電所」が疲れてしまう――
私たちの細胞の中には、エネルギーを生み出す「ミトコンドリア」という小さな器官が
あります。
食べた糖や脂肪を使ってATP(エネルギーのもと)をつくる、いわば「発電所」です。
しかし、高血糖や脂質の異常、ストレスなどが続くと、このミトコンドリアが過労状態に
なり、うまく働かなくなります。
ミトコンドリアが弱ると、エネルギーを作る過程で電子の“漏れ”が増え、
さらに活性酸素が発生。
これが「糖尿病と酸化ストレスの悪循環」をつくってしまうのです。
3.水素が注目される理由
――小さくて、やさしく、選んで働く――
水素(H₂)は、宇宙でいちばん小さい分子。
無色・無臭で、体のどこにでもスッと入り込むことができます。
2007 年に日本の研究者が「水素は体の中で最も強力な悪玉活性酸素(ヒドロキシル
ラジカル)」を中和することを発見して以来、世界中で研究が進みました。
ここで大切なのは、水素は「必要な酸素反応」には干渉せず、「悪玉の活性酸素」だけ
を選んで無害化する点です。
ビタミンC やE のような抗酸化物質は強すぎるとバランスを崩すことがありますが、
水素はとても穏やかに働くと考えられています。
4.研究でわかってきたこと
最近の臨床研究では、糖尿病の方に対して水素を吸入したり、水素を含む水を飲ん
だりすると、血糖や代謝の数値に良い変化がみられる報告があります。
たとえば2023 年に発表された中国の多施設研究では、通常の治療に加えて水素ガスを
吸入したグループで、
・HbA1c(過去1〜2 か月の血糖の平均値)がやや低下
・空腹時血糖値や中性脂肪、コレステロールも改善傾向
・副作用の報告は少なかった
とされています。
(Frontiers in Endocrinology誌, 2023)
また、昭和大学の研究では、健常成人に高濃度水素+酸素を吸入してもらうと、下肢
の血流速度が高まることが確認されました。血流の改善は、冷えやしびれなど末梢循
環の不調にも関わるため、糖尿病の方の“巡り”を支える可能性があると考えられて
います。
(日本理学療法学会連合誌, 2024)
これらはすべて医学的な研究であり、効果の程度や感じ方には個人差があります。
治療を置き換えるものではなく、生活習慣の改善や医師の治療と併用して考えるの
が現実的です。
5.どうして水素が作用するの?
水素は体の中に入ると、ミトコンドリアの近くで働くといわれています。
ここでは、エネルギーをつくるために大量の酸素が使われており、同時に活性酸素も
発生します。
水素はこの現場に直接届き、悪玉の活性酸素を水に変えて、細胞のストレスをやわ
らげます。
その結果、
●ミトコンドリアが再び元気に動き出す
●細胞の炎症が鎮まり、代謝が整う
●インスリンの働きがスムーズになる
などの変化が期待されます。
このように、水素は“細胞の中のバランスを取り戻す”ことを助けていると考えられて
います。
6.「エネルギーを整える」新しいアプローチ
糖尿病の治療といえば、食事・運動・薬による血糖コントロールが基本です。
そこに「酸化ストレスを減らす」「細胞のエネルギー代謝を整える」といった観点を加え
ることで、より根本的に体調を整えていく考え方が広がりつつあります。
水素は薬ではありませんが、からだの中の“発電所”であるミトコンドリアを守るという
意味で、いわば「細胞をサポートする分子」として期待されています。
6.さいごに
糖尿病は、生活の積み重ねによって少しずつ進行する病気です。
だからこそ、「からだの声」に耳を傾け、日々の習慣を整えることが何より大切です。
水素は、そんな体の自然な働きをやさしく後押ししてくれる存在かもしれません。
もし興味を持たれた場合は、医師や専門スタッフにご相談のうえ、あなたに合った方
法を一緒に探してみましょう。

(監修:聚楽内科クリニック 院長 武本重毅)
※本記事は一般的な健康情報を目的としたものであり、特定の治療や機器の効果を
保証するものではありません。
糖尿病の治療については必ず医師の診断・指導のもとで行ってください。

